次回の晴れ晴れ句会予定日は9月23日(土)

生句会予定です!

 

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2023年11月 9日 (木)

令和五年十月の晴れ晴れ句会【第190回】メール句会(感想あり)

参加 11名
◎=共鳴  ○=並選





 

【5点句】


風を待ち国道渡る秋の蝶 有芳
◎彩花 ○喜和 英二 尚彦

彩花>蝶は自分の羽ばたきで飛んでいるとしか考えたことがなかったので、国道という幅のある道を渡るのに風の力を借りるという視点に、ハッとさせられました。
喜和>慎重にかまえる秋蝶に仕立てましたね。
尚彦>トラックが往来する国道の風圧でふっ飛ばされぬよう、身を押してくれるやさしい風を待ちましょう。


洗濯機の底にどんぐり二つ三つ あゆみ
◎英二 ○喜和 有芳 千晶

喜和>きのうの園の散歩で拾ってきたのかな。いや大人の粋なはからいの果てかしら。
有芳>普段より汚れがよく取れるかも


 

【3点句】


椰子の実のぽたりと落つる星月夜 あゆみ
◎健二 ○正則

健二>星月夜から見たヤシの実の落ちる音の小ささが趣深い。一行ながら夢のある、ファンタジー然としていて素敵でした。


駅蕎麦のかほり誘うや冬隣り 尚彦
◎有芳 ○貴光

有芳>ほっとした。まだ机にも届かない頃の記憶も甦る。
貴光>最近はチェーン店も多いけど、駅そばの匂い、好きだなぁ。「誘ふ」なら共鳴。


団栗を拾ひて並べなほしをり 彩花
◎尚彦 ○正則

尚彦>年老いてもドングリを拾えば童心にもどります。


昼酒やガードの上は秋日和 正則
◎貴光 ○正子

貴光>いい日曜日の午後四時。帰って寝ちゃうけど、爽やかなひと日。
正子>秋日和の効果でガード下の昼飲みも のどかでほのぼのとした感じがします。この句が詠める日本は平和で幸せなのだなとしみじみ思ってしまいました。


 

【2点句】


のめり込む小さき文芸大銀河 喜和
◎あゆみ

あゆみ>この句を読んだ瞬間ぞわーっと来ました。「小さき文芸」と言うあくまで控えめな言葉と、大銀河の取り合わせ。そして、「のめり込む」という激しさを感じさせる表現。小さき文芸に込められた、大銀河ほどの大きな世界と輝き、その熱量が感じられ、圧倒されました。


独り寝に羊数える夜長なの 英二
◎正子

正子>なの がインパクトあってとても上手い言葉選びだと思います。彼とお別れしたばかり、ジェラートピケのワンピパジャマ着て ふわふわ寝具に包まれながら寂しく独り寝してるのかな。


うそ寒や耳鳴りの脈たまに飛ぶ 彩花
◎喜和

喜和>ありますあります、突然やってくる耳鳴りの不整脈というやつでしょうか。放っておいていいんですかね


園帽を落とす自転車秋の暮 喜和
◎千晶


色男マリオ歌ひて茸焼く 彩花
◎正則


露の玉追悼号の写真笑む 喜和
○英二 正則


金木犀降る校庭のパート練 千晶
○あゆみ 彩花

あゆみ>私も経験あります、吹奏楽部の外のパート練。金管パートだと外で練習するとうるさいので、クラリネットか、サキソフォーンか。3年生は夏のコンクールが終わって部活は辞めてしまったので、1・2年生のみの人数少な目のパート練。金木犀が降る中、どんな音楽が奏でられているのでしょう。
彩花>金木犀の甘い香りと、パート練という青春の響きに、甘酸っぱい気持ちになりました


秋のキスすかすかのシュークリーム 有芳
○尚彦 正子

尚彦>安く売っているベビーシューは、おちょぼ口でキスするように食べるのです。プチさびし秋
正子>秋のキスってどんなキスなんだろう。キスの季節感て面白い発想だなと思ったら すかすかのシュークリーム!? ユニーク過ぎます。


ペットボトル1本分の秋思 健二
○喜和 千晶

喜和>悩みの度合いは中くらいかと。


後悔を掘り返しをり冬隣 彩花
○尚彦 健二

尚彦>後悔は忘れようとも消えません。また冬が来て一年が終わりますが死ぬまで消えることはない。それが人生なのかしら。
健二>いろんなもの掘り起こしては冬銀河って感じですね。後悔は冬前の土の中できっと熟成してるのでしょうね。


爆音のヘビメタ少年の秋思 あゆみ
○貴光 千晶

貴光>思春期の秋思は、そんな感じだったかなぁ。今より強く寂しく、爆音のノイズが響いていた。


強風に右向け右の稲穂かな 正子
○英二 千晶


病める子に粥温める十三夜 あゆみ
○英二 有芳

有芳>普段うるさいのが静かだと優しくなる。


新酒の候いかがお過ごしですやろか 正則
○貴光 彩花

貴光>下五を方言の表現に費やして、一気に新鮮な一句!
彩花>時候の挨拶が楽しすぎて、このお手紙が絶対に楽しいお手紙ですよね~、とこちらまでワクワクしてしまいます。


 

【1点句】


この地区は子供の増えて秋祭り 彩花
○正子

正子>お祭りに参加する子供達が減ったのか ほとんど大人が引く山車を見た事がありますが なんとも侘しい。やはりお祭りには お揃いの法被を着て山車を引く子供達の可愛い姿が欠かせません。この地区はきっと子育て世代に優しい、周囲にも波及するといいですね。


音量を落としJAZZ聴く秋の暮れ  英二
○健二

健二>こういう時間が持てる方羨ましい。1人で静かに過ごしていたいです。


メッセージボトル放って秋の浜 貴光
○健二

健二>さっぱりした雰囲気。誰かいつあげて読むのか読まないのか。そこまで期待もせず、意外と楽しいものですよね。


バスを待つ奈良の外れの虫時雨 正則
○あゆみ

あゆみ>奈良、バス、虫時雨。なんだか鄙びた雰囲気で、古都を一人旅がしたくなりました。


どつかんばつかん秋の雹降る夜長かな 正則
○彩花

彩花>あの晩は本当に驚きましたね。雷が本当に怖くて、どつかんばつかんがとてもしっくりきました。


緋のカンナ煉瓦倉庫に並び立つ 喜和
○尚彦

尚彦>赤煉瓦の色よりもカンナの赤は、燃えるように際立っていたのかな。


出展の絵に着彩す青蜜柑 健二
○あゆみ

あゆみ>青蜜柑の清涼な静謐さと、大切な作品に着彩をしている緊張感がとてもよく合っていると思います。


テント張る一天地六草紅葉 英二
○彩花

彩花>ソロキャンプで、虫とか野生の動物相手にサイコロ振ってゲームを楽しめる仙人的キャンプの達人が目に浮かびました。


無花果や三十路姉妹の嘘の皮 正子
○あゆみ

あゆみ>無花果って、皮が薄くて、熟すと中がどろっとしていて、私は何となくグロテスクな印象を受けてしまいます。なので、三十路姉妹の噓と、無花果という取り合わせがなんともしっくり来ました。


秋雨の瓦礫の下の鬼哭かな 正則
○有芳

有芳>なるべく子どもには惨状を噛み砕いて説明していますが、そろそろ限界だよこれは。


錦秋の日比谷を駆けるドブネズミ 有芳
○貴光

貴光>何もない日、目的もなく都心を自転車で走るおいらにゃ、銀杏黄葉が目に浮かぶ。


新蕎麦や年に一度の蕎麦道具 正子
○喜和

喜和>買った当時は頻繁に出してそば打ちしてたんですね。


金髪が芋品定め夜7時 健二
○有芳

有芳>天ぷらにしろ、間違いない


支えられ支えて歩む紅葉下 英二
○正則


秋茄子や嫁はぶつぶつ世話を焼く 尚彦
○正子

正子>秋茄子にはやはり嫁でしょうか。独り言なのか小言なのか ぶつぶつ言いながらも立ち働いてしまう奥様の姿が浮かびます。


建て替えの思案に暮れし柿紅葉 正子
○健二

健二>お察し致します。僕も家の建て替えで偉く大変だったので。自分の居場所を確保するためとは言え冬前に家の事で気を揉むというのは宜しくないなと思い出します。





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2023年10月11日 (水)

令和五年九月の晴れ晴れ句会【第189回】メール句会(感想あり)

参加 12名
◎=共鳴  ○=並選

【6点句】
新米喰ふ親の仇のやうに喰ふ 正則
◎真 千晶 〇有芳 喜和
真>炭水化物を控えている身として、「親の仇」というのが切実に響いてきます。
有芳>佃煮もすぐなくなる、あれも仇だね
喜和>おいおいそんなにかぶりついて食べなくても・・・

知恵の輪となりて寝る子ら秋暑し 彩花
◎英二 〇真 尚彦 千晶 喜和
真>10月になってもまだ「暑い」句が出てくるとは・・・。「知恵の輪」が、遊び疲れた末の情景をよく表していると思います。
喜和>読み聞かせの後は知恵の輪をするのが習慣なのでしょうか、それはたちまち眠りに落ちることでしょう。

【5点句】
長き夜や捜すミシンの説明書 正子
◎喜和 〇彩花 有芳 貴光
有芳>最近はスマホでダウンロードすりゃいいんですが、問題はそこではなく長年の生活の澱やら、「もっと早く言ってくれ」やら、明日も早いんですけどやら、声が聞こえてきます。
貴光>秋はミシンの季節、という方も多そう。まずは取説を探す、去年も、その前の年も恒例の作業。
喜和>夜なべ仕事が始まりましたか。学芸会の衣装づくりかな。

朝露を踏みて帰還の子猫かな あゆみ
◎尚彦 貴光 〇千晶
貴光>春に生まれた子猫、初めての秋を迎える。安心できる我が家へ、朝露を踏んで帰る。

【4点句】
残々暑夕立が洗い流してく 健二
◎彩花 〇英二 尚彦

【3点句】
民宿のあるじ斬らるる村歌舞伎 喜和
◎あゆみ 〇貴光
あゆみ>これは、村の雰囲気から、民宿のご主人の性格まで浮かんでくるような句ですね。言葉の選び方、使い方が絶妙です。
貴光>二枚目は美男子、三枚目はにぎやかしの人物、五枚目は敵役、六枚目は少し善の要素もある敵役、七枚目は敵役の大ボス。敵役こそ演技の醍醐味であり、観劇の中心か。宿主は趣味人。

呆然と午前のテキヤ秋高し 健二
◎有芳 〇正則
有芳>昨日飲み過ぎたのか、故郷の団子屋思い出したのか、恋なのか。

訛り出で野趣ふんだんに芋煮会 喜和
〇真 貴光 正子
真>帰省して旧交を温める様子が浮かびます。シメはカレー粉とうどんを投入してカレーうどんだろうと推察します。
貴光>知らない方言、調理法に出会い、のんびり観光気分が興奮に転じる。よそものは野趣と感じるが、現地で日常なのだ。
正子>河原で鍋を囲こみ家族や友人達と楽しむソウルフード山形訛りでさらに盛り上がる芋煮会、参加してみたくなりますね。

【2点句】
秋蛍や魂移すごと岩にをり 千晶
◎正子
正子>もう飛ぶ事も出来ずに岩の上で弱々しい光を放つ秋蛍。魂移すごとはとても繊細な感性表現に思え 心に染みる侘しさを感じます。

キャリー引き温泉めざす萩日和 健二
〇英二 貴光
貴光>ゆっくりゆっくり、萩の道を。

秋澄みてソーラン節はうろ覚え 彩花
〇健二 正子
健二>沖のカモメに〜あそーれ!
やーれんそーらんそーらんそーらん…うん。
おっさんもテキトーソーラン秋澄めり
正子>青々と晴れた空に澄んだ秋の空気 思わず口ずさんだソーラン節だけど あれ?って感じ。私もうろ覚えで 歌詞はちゃんと浮かびませんでした。

秋夕焼け子供絡みつき佇む 有芳
◎健二
健二>午後4時ごろだったか夕焼けと山手線を母と空蝉橋に見に行ったのはいつの頃だったろうか。遥か遥か昔の記憶が蘇りました。

水澄むや母を見つける赤子の眼 喜和
〇尚彦 千晶

縞柄鮮やかに死にし秋の蝶 彩花
〇正則 有芳
有芳>静かな死、生まれ変わって蝶であったことを思い出すだろうか

栗飯か大長考のファミレス 有芳
〇正則 彩花

風立ちぬ大川渡る11‐11(いちならび) 英二
◎正則

背伸びする縁側の猫里の秋 尚彦
〇真 千晶
真>なんてことのない日常の風景が素敵です。

切花一輪愁思の深く深く深く 正則
〇彩花 あゆみ
あゆみ>何の切花か。切花一輪、という、そっけない言い方と、深く深く深く、の繰り返しのアンバランスさの妙がいいですね。

【1点句】
いろいろのこと思ひ出となる秋の暮 英二
〇健二
健二>秋思。長い冬を超える前だからなのか、色々振り返りますよね。物思いの季節。夏を思い返す。また次の夏を思う。
リアル句会で気になってまして、すごく普通なのだけれど、すごく穏やかで良い句だと思いました。さりげなく秋だと思わせる。

化け物の宴目指すや星月夜 千晶
〇健二
健二>バケモノの宴に繰り出すバケモノ。という感じで、月夜はみんな出て来い来い来いな訳で浮かれ調子で夜長を堪能する様が素敵です。切れ字の「や」も待ち遠しかった銅類の集う宴会の到来を心から歓迎していて叫んでる感じで沁みますね。

廃校に最初の秋がやってきた 貴光
〇有芳
有芳>子狐目線だと受け取りまして、寂しくなりました。

ほろ酔ひて暖簾の隙に十三夜 真
〇あゆみ
あゆみ>満月じゃなくて十三夜なのが渋いです。なんだか美味しいお酒が飲めたんだろうなあと想像します。

五十路婿有給尽くし稲を刈る 彩花
〇健二
健二>婿だから。と仕方なく行ってたはずの稲刈りが運動不足やら。普段の仕事とは違う動きが心地良かったり。有給を使い切るほど入れ込む、満更でもなくなっているような。そんな秋の収穫時期の田を思い起こさせました。色々考えさせられますね。

露草の群れ咲き帰路を灯しをり 彩花
〇英二

地獄には種類がありし男郎花 有芳
〇喜和
喜和>多分あると思う、行ったことないですけどね。ありし では過去形なので違和感。ひょっとして作者は覗いてきた?

縁遠い叔母は美人で林檎剥く 尚彦
〇あゆみ
あゆみ>「縁遠い」を、最初「遠縁の」と読んでしまいました。2回目読み直した時に、美人、でもなぜか(こんなこと言ったら偏見かな。。。)結婚していない叔母さんと、手にした真紅の林檎の佇まいが目に浮かんできました。谷崎潤一郎っぽい雰囲気があります。

浅漬けや切り口淡く茄子の紺 尚彦
〇真
真>ご飯にもお酒にも合いそうです。「淡く」がいいですね。

柿剥くやヌルリヌルリと甘かろう 尚彦
〇正子
正子>滑って剥きにくい位に熟した柿はきっと甘くて美味しいはずと 期待感がヌルリヌルリに込められている気がします。

ハロウィンは季語にあらずと祖父怒り 真
〇あゆみ
あゆみ>ちょっとこれは笑ってしまいました。結局ハロウィンで一句作って投句してしまっている作者。句意自体はハロウィンには何の関係もないけど、この可笑しみがいいですね。お祖父様から物言いつくかな笑。

一弦の切れたるギター秋灯 あゆみ
〇尚彦

国道と参道ずれて猫じゃらし 貴光
〇喜和
喜和>読者に地図を描かせて楽しんでいる感じ。二つの道が離れていくところには猫じゃらしの叢。

子供らのテンション下がり茸飯 真
〇正子
真>安定価格で庶民の味方の茸(松茸は除く)は美味しいし重宝してます。 茸飯は色合いも地味で残念ながら子供受けはしなさそう。テンション下がりがぴったり表現ですね。

秋雨にネオンシュプール散らばりて 有芳
〇英二

学祭の門そわそわの見本市 健二
〇正則

新郎の必死にすするとろろ汁 正則
〇彩花

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2023年10月10日 (火)

令和五年九月の晴れ晴れ句会【第189回】メール句会

令和五年九月の晴れ晴れ句会【第189回】メール句会
参加 12名
◎=共鳴  ○=並選

【6点句】
新米喰ふ親の仇のやうに喰ふ 正則
◎真 千晶 〇有芳 喜和
知恵の輪となりて寝る子ら秋暑し 彩花
◎英二 〇真 尚彦 千晶 喜和

【5点句】
長き夜や捜すミシンの説明書 正子
◎喜和 〇彩花 有芳 貴光
朝露を踏みて帰還の子猫かな あゆみ
◎尚彦 貴光 〇千晶

【4点句】
残々暑夕立が洗い流してく 健二
◎彩花 〇英二 尚彦

【3点句】
民宿のあるじ斬らるる村歌舞伎 喜和
◎あゆみ 〇貴光
呆然と午前のテキヤ秋高し 健二
◎有芳 〇正則
訛り出で野趣ふんだんに芋煮会 喜和
〇真 貴光 正子

【2点句】
秋蛍や魂移すごと岩にをり 千晶
◎正子
キャリー引き温泉めざす萩日和 健二
〇英二 貴光
秋澄みてソーラン節はうろ覚え 彩花
〇健二 正子
秋夕焼け子供絡みつき佇む 有芳
◎健二
水澄むや母を見つける赤子の眼 喜和
〇尚彦 千晶
縞柄鮮やかに死にし秋の蝶 彩花
〇正則 有芳
栗飯か大長考のファミレス 有芳
〇正則 彩花
風立ちぬ大川渡る11‐11(いちならび) 英二
◎正則
背伸びする縁側の猫里の秋 尚彦
〇真 千晶
切花一輪愁思の深く深く深く 正則
〇彩花 あゆみ

【1点句】
いろいろのこと思ひ出となる秋の暮 英二
〇健二
化け物の宴目指すや星月夜 千晶
〇健二
廃校に最初の秋がやってきた 貴光
〇有芳
ほろ酔ひて暖簾の隙に十三夜 真
〇あゆみ
五十路婿有給尽くし稲を刈る 彩花
〇健二
露草の群れ咲き帰路を灯しをり 彩花
〇英二
地獄には種類がありし男郎花 有芳
〇喜和
縁遠い叔母は美人で林檎剥く 尚彦
〇あゆみ
浅漬けや切り口淡く茄子の紺 尚彦
〇真
柿剥くやヌルリヌルリと甘かろう 尚彦
〇正子
ハロウィンは季語にあらずと祖父怒り 真
〇あゆみ
一弦の切れたるギター秋灯 あゆみ
〇尚彦
国道と参道ずれて猫じゃらし 貴光
〇喜和
子供らのテンション下がり茸飯 真
〇正子
秋雨にネオンシュプール散らばりて 有芳
〇英二
学祭の門そわそわの見本市 健二
〇正則
新郎の必死にすするとろろ汁 正則
〇彩花

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2023年9月14日 (木)

令和五年八月の晴れ晴れ句会【第188回】メール句会(感想あり)

参加 12名
◎=共鳴  ○=並選





 

【7点句】


あるだけの取り皿並べ盆休み あゆみ
 ◎有芳 ○喜和 貴光 健二 真 彩花

有芳>そのうち実家風居酒屋とか流行るかもね。
貴光>地方の集落に住んでいたころ、家族より多い、20戸くらいのご近所さんのグループに入ってました。公民館でのお祝いの食卓はなかなかの人数で、楽しかったのを思い出しました。
健二>新婚家族かな?出来るだけのおもてなし。そう読みました。新しいファミリーたちが迎える先祖。そして親戚の笑顔。
真>親族が大勢集まる賑やかな雰囲気が伝わってきます。柄も大きさも不揃いだったりして…それがさらに賑やかなのでしょう。
彩花>柄がそろっているとか、もうどうでもよいですよね。うちも景品のお皿とか久しぶりのお皿とかが総出ですので、にぎやかさとあわただしさが目に浮かびます。
喜和>昔こんな内容のド演歌がありましたね。

 

【6点句】


先祖の大群団地の迎盆 貴光
 ◎彩花 健二 ○英二 喜和

健二>リアル句会で取りましたがやはりこれは発見ですね。タワーマンションとか団地とかきゅうりの馬に乗ってウワーっと戻ってきて、茄子の牛に乗ってゆるゆるお帰りです。壮大なスケールの暖かい霊的な句。謎のスケール感に乾杯。
彩花>ぞろぞろ帰ってくるご先祖様を想像すると、ふっと笑えます。仲悪かったご近所さんとは霊になっても仲悪くて嫌味言ったりするのかな、とか想像してしまいます。
喜和>団体の魂迎えね、なるほど、うまいところを突かれた感じ。どこかつなげる助詞が欲しいが。

 

【5点句】


詰襟の遺影は笑顔終戦日 あゆみ
 ◎真 英二 ○貴光

貴光>学徒出陣の詰襟か、軍服か、古い家の仏壇が浮かび、終戦からの年月も感じる。
真>真っ白な詰襟姿の海軍さんを想像してしまいました。NHKドラマ「坂の上の雲」の本木雅弘のような。将来を嘱望されていたのだろうな、さぞ無念だったろうな等々…合掌。

 

【4点句】


同調の圧を背に聞く蝉時雨 英二
 ◎貴光 正子

貴光>蝉時雨を同調圧力と捉えても面白いし、前から蝉時雨、後ろから社会の圧力を想像すると、狂騒のなかの死へ追いやられるような、恐怖もある。
正子>蝉時雨は聞く人の気持ちで心地好かったり うざかったり、これはキツい大音量。同調してしまうのは楽だけど暗黙のプレッシャーに耐えて自分を貫くのはしんどい。そんな状況が浮かびました。

 

【3点句】


盆踊女子刑務所の庭と壁 貴光
 ◎あゆみ ○有芳

あゆみ>盆踊、と女子刑務所の取り合わせが衝撃でした。刑務所の壁に囲まれた庭という、あくまで非宗教的な場での盆踊であるのに、盆踊の持つ、鎮魂や魂送りといった哀しみの側面が鮮やかに浮き上がってきました。

手花火の消えてこの手は誰の手だ 貴光
 ◎千晶 ○尚彦

尚彦>家族や友人たちで花火を楽しむ風景の中。あるよね!

来てはまた店主に奢るあらばしり 正則
 ◎尚彦 ○あゆみ

尚彦>珍念に通った昔の自分に近いのかなあ。むしょうに冷えたあらばしりの微発砲が呑みたい。
あゆみ>また来ては、ではなくて、来てはまた、というのが良いですね。店主の方には少し迷惑かもですがこんな行きつけの場所があるっていうのは素敵です。

朝顔の開きかけたる夜勤明け 正子
 ○真 貴光 尚彦

貴光>一日の終わりに花が開いて朝が始まるのも、悪くないと思った。
真>私も夜勤がある職場なのですが、たしかにこういう自然への気付きがありますね。朝顔もショボショボの目に美しく映ったのでしょう。
尚彦>朝顔より早く動いてお疲れ様です。ゆっくり休んでください。

 

【2点句】


前カゴにヘルメットあり夏の午後 健二
 ◎喜和

喜和>私も買いましたよ、自転車用のヘルメット。買っただけで使ってないんですけどね。なんでもない風景がなぜか沁みる。晩夏を思わせる。

二十年ぶりの母娘のかき氷 あゆみ
 ○英二 健二

健二>色々あったけど、水入らず。氷アリ。

友発ちて日本の少し秋めきて 彩花
 ○千晶 あゆみ

あゆみ>自意識過剰かな、とも少し思いましたが。。。おそらくお茶屋の看板娘から私への挨拶句だろうと思いました。またきつと会へるからねと休暇果つ

単線の終着駅の虫の鳴く 真
 ○健二 英二

健二>他の電車も魅力的ですが、さりげないのがいいですね。やり過ぎてない。自然な景が浮かぶ。バッタとか跳んでますね。

立ち漕ぎで坂道登り秋燕 尚彦
 ○有芳 千晶

有芳>下り坂は並走、子どもの頃、坂はアトラクションだと考えてたよ

病葉やひとつずつ灯を消すやうに 彩花
 ○あゆみ 尚彦

あゆみ>とても詩的な描写です。病葉とその木に対する優しい眼差しがそこにあって、こんな風に表現できるようになれたらなあと思いました。
尚彦>万緑だった緑が少しずつ色を変えてゆく。もの悲しいやら秋ですね。

流れ星原生林へ飛び込みぬ 喜和
 ○千晶 あゆみ

あゆみ>原生林にその星が落ちていそうな。動物たちが落ちた星を囲んで話し合っている。

ファスナーは開いてゐるのに爽やかに 正則
 ○彩花 正子

彩花>もう、とりあえず笑っちゃいました。スキップしているおじさんが目に浮かびました。
正子>開けたまま爽やかに通り過ぎて行ってしまったのかな。シュッとしてる方だと声掛け難いですね。

 

【1点句】


落ちてきた小さき青柿蹴とばした 尚彦
 ○有芳

有芳>そのボレーでロングシュート決めたらあの娘どんな顔するだろう

盆明けて思ひ出せない人の夢 有芳
 ○彩花

彩花>お盆に久しぶりに会って誰だか思い出せない、はよくあるのですが、夢にまで見るとはとりつかれていて大変ですね、とお気の毒に思います。

野分すぎ子供のパンツまた洗ふ 彩花
 ○貴光

貴光>野分過ぎ、やっと洗濯を干せた。毎日毎日子どものパンツを洗う、永遠に続くのか、過ぎてしまえば一時期のことだったと思うのか。

川苔とカップ酒ある釣の小屋 喜和
 ○真

真>川苔とカップ酒があれば釣果はどうでもいい…そんな満ち足りた空気が感じられます。

その影のまだ濃く深く草の花 正則
 ○尚彦

尚彦>よくぞ咲いている野の花よ。いとおしい。

スパイスの香るそよ風赤とんぼ 正則
 ○正子

正子>とんぼの嗅覚はほとんど無いそうなので この香りはスパイスから作った本格カレーかな~ などと考えるのは人間だけですね。

藻の花のゆるりゆらめく町の朝 健二
 ○有芳

有芳>カオナシ(千と千尋)が流されてそう

水漬や箸泳がせているばかり 千晶
 ○喜和

喜和>宮崎の冷や汁かしら、作者は物思いの只中に?

教習所に通っただけの夏休み 貴光
 ○正子

正子>暑さの中 通えただけでも十分有意義な夏休みだと思います。おまけに一句詠めましたよ。

痛みとかそのまま走る八月の夜 有芳
 ○健二

健二>久々に「ハチミツとクローバー」を全巻一気読みしてこんな気分になりました。青春いいなぁ。

無人駅だれを待つのか赤とんぼ 真
 ○英二


頭垂れ稲穂も拝む鶴ヶ城 真
 ○喜和

喜和>会津の豊の秋ですね。今年は暑い日が続き、米は豊作でしょう。

お掃除は這い這い目線お盆かな 正子
 ○彩花

彩花>赤ちゃんを連れて息子さんか娘さんが帰省するのを楽しみにしているウキウキ感が伝わってきて心なごみます。

一両のディーゼル車待つ秋隣 あゆみ
 ○真

真>「ディーゼル車」が効いています。旅情を催しました。

霹靂一閃西瓜真っ二つ 貴光
 ○千晶


饐えた香のシャワーカーテン夏の宿 彩花
 ○正子

正子>今年は暑すぎて臭ってしまったのでしょうか。テンション下がる出会いたくないお宿です。




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2023年8月11日 (金)

令和五年七月の晴れ晴れ句会【第187回】メール句会(感想あり)

 

【5点句】

 

呼び出し音鳴らし続ける藍浴衣 喜和 

◎健二 健生 ○英二

 

健二>多分、デートの待ち合わせ。夏祭りでしょうか。それも大規模なヤツ。LINEやメッセンジャーは負荷分散のためリアルタイムに届かない。仕方なく電話をする。この電話をする迄のハードルが以前の時代よりかなり高く、仕方なくとかかなりプライオリティが高いのですが、焦りの色も交えつつ、そして出ない。鳴らし続ける時間の長さ。モヤモヤした気持ち。きちんと整えた襟元と後れ毛。

イイなぁ〜イイなぁ〜ととっちゃいました。

(はじめ、呼び出し音が理解できず、家のインターフォンかな?と思い「呼び鈴を鳴らし続ける…」でもイイのになと思いましたが、呼び鈴ガンガンだと取立てっぽいですしね。呼び出し音がとてもイイと思いました)

藍浴衣が渋くてチャーミングなので共鳴☆ 健生>ガハハ!やはり勢い、健やかさと、艶やかさ、詩情を兼ね備えた今回もっともバランスの良い句として特選にさせていただきました。呼び出し音を鳴らし続けるわけですから、尋常じゃない、緊急の何かが起こっています。しかも、鳴らしている人は藍の浴衣姿なんですね!祭りなのか。何かイベントがあり、そういう時こそ決まって何かが起こるものです。さあ一体なにがおこったのかはこの句ではいっさいわからない。でもハレの日に何か緊急なことが起こっている。そのことで十分俳句としては成立し、あとは読者に委ねられました。さあ、想像力の世界に、我々を連れて行ってくれました!!

 

【4点句】

七歳も十七歳も夏休み 健生 

◎英二 喜和

喜和>若き等のきらきらした夏休み、有意義にね。

 

靴裏をちよつと冷やさふ木下闇 千晶 

◎尚彦 ○健二 喜和

尚彦>靴の中が暑いときは、靴を脱いで日陰の地面を踏みます私は❢ 健二>新しい誘い文句ですかね。イカしてますね。喜和>この猛暑に木陰は救世主、営業まわりの革靴でしょうか。冷やさう。

【3点句】 

一畳を占めてごろ寝の帰省の子  あゆみ 

◎千晶 ○英二

 

下廊下歩きし登山靴を捨つ  喜和 

◎正子 ○真

正子>下廊下?調べたら黒部峡谷命懸けの絶景登山道との事 投稿写真なども見たら凄い所でした。達成感が捨つに込められているように感じます。

 

コクピット静かに開く木下闇  正則 

◎真 ○有芳

有芳>コクピットとか運転席って時間の流れが独特なんだよね。まるで棺のような

夏休みコロコロコミックゴロゴロと  有芳 

◎貴光 ○千晶

貴光>ネット動画のない時代、読み飽きたコロコロを死んだ目で寝転がって。

夢を見てまた続き見る夏休み    英二 

○正則 千晶 有芳

有芳>お金も地位も必要ない

しやべり過ぎしやべらなさ過ぎ遠花火 千晶 

○正則 貴光 正子

貴光>去年はしゃべり過ぎた、今年はその逆で反省、チューニングして行こう。正子>二人の時間が嬉し過ぎて舞い上がった彼女はしゃべり過ぎ 隣の彼はドキドキで何もしゃべれない。遠花火にぴったりのシーンが浮かびます。

 

【2点句】

手術痕愛しき夫の胸裸かな あゆみ ◎正則

 

峰雲湧き練習船の出帆す  喜和 ◎あゆみ

あゆみ>雲の峰ではなく「湧き」と動詞を使ったこと、一般の船ではなく練習船であること、出航ではなく出帆であること。この三つの組み合わせで、練習生の晴れがましい気持ちや興奮がとても良く表れていて、こちらまでワクワクしました。

コンニチワスク゛サヨナラネ蝉時雨    英二 ◎有芳

有芳>ドキッとしました、心音も聞こえてくる感じ

海岸線暑くて強い風が来る  貴光 ○尚彦 健二

尚彦>この夏は大型台風が猛威をふるってますが、いつもより強くて暑い風が海から吹いて来て台風の接近を感じます。健二>野太いのがドウドウゴウゴウとですね。

炎天を言葉少なに配達員  喜和 ○あゆみ 有芳

あゆみ>寡黙な配達員の方が、焼け付くような町を、話す気力も失せるような暑さにじっと耐えて巡ってお仕事している様子が目に浮かびます。

有芳>暑い日の呼吸法があるのだけど、なんか聞こえてくる

 

ビル狭間日傘男子の小休止 健二 ○あゆみ 健生

あゆみ>アスファルトだらけの暑い暑い都会で、ビルの影で少し息をつく営業マン。小休止、という一言で、かえってその前後の忙しさ、仕事の大変さが見えて来ます。

健生>日傘男子だけで、取らされました。どんな上五や下五を持ってきても、似たような評価になるであろうほど、この中七は強い。句の魅力は十七文字全体でのトータルイメージ、とありたいわけですが、必ずしもそうでないことがあるのも事実。強いフレーズに支配され、イメージが作られることもあるのです。日傘男子。ここからいろんな想像が生まれてくる、それでいて新しい時代の言葉であり、普遍性をも持ち合わせるフレーズです。

百日紅道ゆく人にご挨拶 健二 ○尚彦 喜和

尚彦>百日紅の花は、花言葉の如く愛嬌を振る舞って、夏の盛りに綺麗でしょと挨拶してますね❢ 喜和>重い花房にうなだれている百日紅の景でしょう。小寒くなるころまで挨拶してくれますよ。

草いきれ勇気を持って告白す 健生 ○正子 尚彦

尚彦>草の匂い、汗ばんだ我れ、そんな夏もありました。正子>これからは毎年夏になると草いきれの香と共に この日の勇気を思い出すのでしょうね。

 

引鉄を引く直前の晩夏光 正則 ○貴光 あゆみ

貴光>最近、身内で離婚がありました。

あゆみ>どんな景か、一瞬戸惑ったのですが、理屈なしに惹かれました。むっとした暑さが、引鉄を引く前の緊張感と重厚感を高めている気がします。高村薫の「照柿」を思い出しました

大雷雨過ぎてマウンド整備かな あゆみ ○英二 千晶

 

持ち主はおやつ休憩捕虫網 あゆみ ○健二 千晶

健二>麦茶飲みにちょっと中抜けです。

夏休み!おやつ!

スイカかな?カキ氷かな!お中元のカルピスかな!

片陰を譲る忖度日本かな  正子 ○真 喜和

喜和>ふーむ、わかるような分からぬような。陰を譲る、 考えてみよう。

【1点句】

ランニングリュック古傘半ズボン 貴光 ○正則

 

打ち水や神田藪蕎麦もり二枚 尚彦 ○英二

 

滝沢が川本に告るって祭の夜 貴光 ○あゆみ

あゆみ>お祭の持つ熱量と高揚感のなせる技ですね。首尾はいかに。

泳ぐ故溺れるのだと知らしむべし 真 ○健生

健生>何か標語めいた言い回しですが、どことなく詩情も香るのはなぜか!!それは字余りの下六ですね。字余りは意図的に行うことで詩情を加えることができますね。また内容的にも知らしむべしと強い主張をすることで、作者が本当にこの句によって何かの心を込めているのだということが、感じられるのです。パーソナルな事故なのか。ニュースを見てのことなのか。作者の背景はともかくも、出来上がった句は普遍的価値をもって昇華しましたね!泳がなければ溺れない。人間として生きる宿命ですね。

 

胡瓜持て行きしがトマト貰ひけり あゆみ ○真

 

ジャンケンポンパイナツプルジャンケンポン 貴光 ○正則

 

口ずさむ洋楽の歌詞風鈴と  尚彦 ○健二

健二>身を引き良かったのですが、何を歌ってたのかが気になっちゃいました。マシュケナダ?フライミートゥーザ・ムーン?イパネマの娘?イパネマの娘かな?

遠花火たまやと子猫呼んで見る   英二 ○正子

正子>遠くに花火 視線を落とすと可愛い子猫 思わず小声でたまやと 言ってしまってなんか照れくさい。ほのぼの四コマ漫画が浮かびました。

 

素麺や薬味ばかりを山と盛る 千晶 ○尚彦

尚彦>薬味の無い素(す)素麺ほど味気無い物はなく、薬味が夏バテから守ってくれますよ❢

 

問ふたるはただ喉越のビールかな 正則 ○真

 

戸締まりはため息まじり大暑の陽 正子 ○喜和

喜和>帰って来たときを思うと、開けっ放しで出かけたい気持ち分かります。

三社さま法被地下足袋血の騒ぐ 尚彦 ○正子

正子>四年ぶりのフル開催、今年は血の騒ぎ方もハンパなかった事でしょう。お祭り関係者の方全ての気持ちですね。

 

西日射し遮光カーテン完敗す 正子 ○有芳

有芳>完敗に乾杯です!

まだ少し生きてる夕焼の街に 貴光 ○健生

健生>特選と最後まで迷いました。アンニュイな感じがこの句の魅力ですが、夏だから特選は健康的な句が良いかなと。また少し生きてるのは、誰か??セミか?人か?自分か??

このことを想像するだけで、人それぞれのイメージが膨らむ。句としての普遍性がありながら、いかようにも化ける可能性も持ち合わせる、詩情もたっぷり、ハードボイルド、なかなかの格好良さです!

そうめんよそうめんですかいいですね 健生 ○貴光

貴光>ほんとにそうめんでいいんですか?何か生活の不満があるようにも、それを飲み込んで、そうめんは毎日でもおいしいし、と妥協してるようでもあり。

 

楽鳴らし網戸の出前修理くる 喜和 ○貴光

貴光>こんな派手にやって来るとはおもわなかった。炎天の住宅街に騒がしい。

 

午後7時ほおずき市で逢いましょう 健二 ○健生

健生>美しい!景色が浮かぶ。色も音も浮かんでくるのは、ほおずき市をど真ん中にしつつ、あいましょうと現実の会話の言葉を切り取ることで、リアルな空気を醸し出すことに成功したからです。フランク永井の有楽町で会いましょうという歌がありますから、まあそれを超えることはできませんが、効果は同じことです。

 

 

 

 

 

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2023年8月 6日 (日)

令和五年七月の晴れ晴れ句会【第187回】メール句会

 

【5点句】

 

呼び出し音鳴らし続ける藍浴衣 喜和 

◎健二 健生 ○英二

 

【4点句】

七歳も十七歳も夏休み 健生 

◎英二 喜和

 

靴裏をちよつと冷やさふ木下闇 千晶 

◎尚彦 ○健二 喜和

 

【3点句】 

一畳を占めてごろ寝の帰省の子  あゆみ ◎千晶 ○英二

 

下廊下歩きし登山靴を捨つ  喜和 ◎正子 ○真

 

コクピット静かに開く木下闇  正則 ◎真 ○有芳

 

夏休みコロコロコミックゴロゴロと  有芳 ◎貴光 ○千晶

 

夢を見てまた続き見る夏休み    英二 ○正則 千晶 有芳

 

しやべり過ぎしやべらなさ過ぎ遠花火 千晶 ○正則 貴光 正子

 

【2点句】

手術痕愛しき夫の胸裸かな あゆみ ◎正則

 

峰雲湧き練習船の出帆す  喜和 ◎あゆみ

 

コンニチワスク゛サヨナラネ蝉時雨    英二 ◎有芳

 

海岸線暑くて強い風が来る  貴光 ○尚彦 健二

 

炎天を言葉少なに配達員  喜和 ○あゆみ 有芳

 

ビル狭間日傘男子の小休止 健二 ○あゆみ 健生

 

百日紅道ゆく人にご挨拶 健二 ○尚彦 喜和

 

草いきれ勇気を持って告白す 健生 ○正子 尚彦

 

引鉄を引く直前の晩夏光 正則 ○貴光 あゆみ

 

大雷雨過ぎてマウンド整備かな あゆみ ○英二 千晶

 

持ち主はおやつ休憩捕虫網 あゆみ ○健二 千晶

 

片陰を譲る忖度日本かな  正子 ○真 喜和

 

【1点句】

ランニングリュック古傘半ズボン 貴光 ○正則

 

打ち水や神田藪蕎麦もり二枚 尚彦 ○英二

 

滝沢が川本に告るって祭の夜 貴光 ○あゆみ

 

泳ぐ故溺れるのだと知らしむべし 真 ○健生

 

胡瓜持て行きしがトマト貰ひけり あゆみ ○真

 

ジャンケンポンパイナツプルジャンケンポン 貴光 ○正則

 

口ずさむ洋楽の歌詞風鈴と  尚彦 ○健二

 

遠花火たまやと子猫呼んで見る   英二 ○正子

 

素麺や薬味ばかりを山と盛る 千晶 ○尚彦

 

問ふたるはただ喉越のビールかな 正則 ○真

 

戸締まりはため息まじり大暑の陽 正子 ○喜和

 

三社さま法被地下足袋血の騒ぐ 尚彦 ○正子

 

西日射し遮光カーテン完敗す 正子 ○有芳

 

まだ少し生きてる夕焼の街に 貴光 ○健生

 

そうめんよそうめんですかいいですね 健生 ○貴光

 

楽鳴らし網戸の出前修理くる 喜和 ○貴光

 

午後7時ほおずき市で逢いましょう 健二 ○健生

 

 

 

 

 

 

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2023年7月20日 (木)

令和五年六月の晴れ晴れ句会【第186回】メール句会(感想あり)

【11点句】

ショッピングカート集める夕立後  貴光 

◎有芳 正則 健生 喜和 〇健二 千晶 彩花  
喜和>カートも町も雷雨に洗われさっぱりしましたね。街の片隅でとらえた一瞬の景、これぞ俳句。  
健二>リアル句会で取られてて改めてイイなと。雨後の湿気とダルい感じの夕暮れをガラガラと駐車場のカートを集めて回る係員。
有芳> 広い敷地をカートを集めるゲームのようで、脳内でチャリーン的な効果音が鳴っている。
サトケン、発売して!
彩花>屋上駐車場の向こうに広がるきれいな夕焼けとキラキラ光る駐車場、不器用にカートを集めるアルバイト少年が目に浮かびました。



【9点句】



この街は何にも無いよ貝風鈴  有芳 
 ◎健二 尚彦 貴光  彩花 〇正子
尚彦>貝風鈴がどこか安っぽいものの、落ち着きます。何にも無い方がいいと感じるその感性に共鳴いたしました。

貴光>そんなにいい音ではないか、貝風鈴。でも海辺の街の土産物屋で見かけると、欲しくなる。素朴な街。地元の人は何もないというが、他にない海と空と田んぼ道がある。真鶴の海水浴場を思い出した。
正子>  涼やかで夏にぴったりの貝風鈴も 気持ち次第で物悲しい音色に聞こえてしまうのでしょうか。
健二>80年代の夏を思い出しました。
はるか遠くまで続く九十九里の海岸線
買い出しに出た先の貝風鈴やモビール、貝の笛。潮の匂いと毎日が冒険だった日々。
地元の人は気取らない荒っぽい喋りだけど大らかだったのを思い出しました。
彩花>実家の二階の窓際にかかっていた貝風鈴を数十年ぶりに思い出しました。



【4点句】



粉々に砕けて笑ふ遠花火  有芳
◎千晶    〇正則 彩花  
彩花>遠花火自体が笑っているのか、隣で見ているかわいい彼女が笑っているのかわかりませんが、「粉々に砕けて笑ふ」という表現にやられました。  

横丁は染みも柄なり夏暖簾  正子 
◎真    〇尚彦 喜和  
尚彦>麻の味のあるのれん、旨いものがありそうで、店選びを直感で飲み歩いた頃が思い出されました。
喜和>路地も店構えも旧くなりました

犬小屋に先代の名や雲の峰  貴光 
〇正則 千晶 健生 彩花
彩花>消えかけた先代の名前にタッチのパンチみたいな犬がしっぽを振っているのが目に浮かびます。  



【3点句】



梅雨晴れやじいじラジコン直したよ  彩花
〇あゆみ 千晶 健生  
  あゆみ>連日雨が続く中、晴れの日が来て一緒にラジコンで遊べることを楽しみに、じいじはラジコンを修理してたのですね。直って良かった!お孫さんも、じいじも、一緒にワクワクしている感じがいいですね。  

蚊帳のそと父は安酒煽りおる  尚彦
〇有芳 真 貴光  
貴光>安酒と蚊取り線香の匂い、ぬるい夜風。今となったら懐かしい。
有芳> この場合の安酒とは何を指すのだろうか?
ストロング系かパック酒か、、いずれにせよ彼のお供は夏の闇なのだ。


ぬるき風ただ掻き回す扇風機  あゆみ
◎正子    〇健生    
正子>じっとりと汗をかいた身体に 湿ったぬるい風があたる肌感、避けたい不快なシチュエーションが浮かんでしまう巧妙な句ですね。


錆びた髪ホットパンツの夏が来た 健二 
〇正則 千晶 貴光  

貴光>ホットパンツにはっとする気持ちを忘れずにいたい。「錆びた髪」が少し枯れていてよい。



【2点句】



大夕焼無人攻撃機小隊  貴光  
〇有芳 正則  

有芳>遠隔で人を殺していく、在宅かもしれない、おぞまい現実。その代償を人類はいずれ負う  



避暑地からゾンビの兄の便りかな  貴光 
〇健二 健生  

健二>リゾートバイトの出先より実家にメールをよこす兄を思い出しました。



夏の旅他人同士のボックス席  彩花 
〇真 健二  
健二> ボックス席がちと文字数が気になりましたが、仕方ないのかな。とかぐるぐるしましたが、夏は軽装だから対面ボックスシートもギリで相席オッケーかな?と思ったり。



夕涼や老猫をただ清拭す  千晶
◎あゆみ
あゆみ>いろんな言葉を使わずに、シンプルな言い切っているからか、「ただ清拭」している、静謐なひとときが句から見えて来ます。猫と暮らしてきたこれまでの時間や、愛情の深さも感じさせてくれます。



風鈴やビューティーコマチ美容院  貴光
〇有芳 あゆみ  
有芳> 電車では行けない町(車だと行ける)のどこかにありそうって思っていたら、浅草の大正14年創業の老舗でした。風鈴がタイムスリップさせる。 
あゆみ>ネーミングからしていかにも昭和!な美容院の佇まいがぱっと目に浮かびます。きっと朝顔の鉢も置いてある気がします。



溶けていく氷のやうな海月の死  あゆみ
〇尚彦 貴光  
尚彦>こんな光景を見たことはないのですが、夢に出てきそうないきおいを静かに感じました。
貴光>身体の95パーセントが水であるという海月。残りの5パーセントの固体の部分で死がはじまり、一気に海水に溶けていくんだろう。不思議な死と生。



【1点句】



生ビール片手の相撲甚句かな  正則
〇喜和   
喜和>相撲こそ我が人生の方ですね。

蓮池に河童は沈む七つ時  英二
〇有芳    

有芳> 子河童のこと誰も知らない、彼は相撲相手が欲しいけど、それ以上は望まない。
蚊遣火や据えて安堵の寝息かな  尚彦
〇正子   
 正子>  風情のある雰囲気を 据えてと安堵が効果的に出している感じがします。

道化師も来て梅雨晴の蚤の市  あゆみ
〇喜和    

喜和>そのままの格好で?何を物色しているのか。
一万歩目出度目出度の生ビール  喜和
〇真    

襟足と鎖骨足首夏うれし  尚彦  
〇正子    

正子>  襟足に鎖骨に足首 視線の先が通ですね。拝見するだけなら許されるのではないかと思います。  
軒先に並ぶ干物とビキニかな  真
〇健二    

健二>何色ですかね!蛍光ピンク?マリンブルーもいいな。おおらかな海の景色、日焼けも絵になる年頃の夏って感じが刺さりました。
から梅雨の熟しきらない夜を愛でる  健二
〇喜和    

喜和>梅雨は正しい梅雨であってほしいわけですね。
夏めくやあの子は今日も二人乗り  あゆみ
〇正子    

正子>  羨ましいのか微笑ましいのかどちらでしょう。
妙に首の短い猫よ夏の月  正則 
〇貴光
 貴光>浮世絵風に猫を描いた手拭いのイメージ。
  
つるさんはまるまるむしよひめほたる  健生
〇彩花    
彩花>なんだろうと思って調べたらへのへのもへじのような遊びなんですね。ノスタルジックなひびきとひめほたるがとてもあっていて映画のような雰囲気がでているように感じました。

しやくやくの恥ぢらひの紅いま開く  英二
〇尚彦   
尚彦>美しくも大柄な女性の恥じらいが、見かけと違いうぶで頬を赤らめているようで想像が膨らみました。 

どしゃ降りになす術なしや子蟷螂  正子 
〇尚彦    

尚彦>風に舞い、しがみついたものの、どしゃ降りに見舞われ動くことができない。自分の試練と重ねてしまいました。
真夜中になんとかなりてチョコアイス  有芳 
〇あゆみ    

あゆみ>何がどうなんとかなったのか分からないですが、チョコアイスで自分にご褒美。おつかれさまです。  
柿の種一掴み食ふ昼寝覚  彩花
〇あゆみ    

あゆみ> 昼寝から覚めたら、なんとなく空腹を覚え、ボーッとした頭でサイドテーブルにあった柿の種(昨日の晩酌の共、と想像)を一掴み。一掴み、という大雑把な感じがいいです。
古水路に田水湛へて大井川  彩花 
〇真    

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2023年7月 7日 (金)

令和五年六月の晴れ晴れ句会【第186回】メール句会

参加 12名
◎=共鳴  ○=並選
【11点句】

ショッピングカート集める夕立後  貴光 

◎有芳 正則 健生 喜和 〇健二 千晶 彩花  
【10点句】
この街は何にも無いよ貝風鈴  有芳 
 ◎健二 尚彦 貴光 正子 彩花

【4点句】
粉々に砕けて笑ふ遠花火  有芳
◎千晶    〇正則 彩花  

横丁は染みも柄なり夏暖簾  正子 
◎真    〇尚彦 喜和  

犬小屋に先代の名や雲の峰  貴光 
〇正則 千晶 健生 彩花

【3点句】
梅雨晴れやじいじラジコン直したよ  彩花
〇あゆみ 千晶 健生  

蚊帳のそと父は安酒煽りおる  尚彦
〇有芳 真 貴光  

ぬるき風ただ掻き回す扇風機  あゆみ
◎正子    〇健生    

錆びた髪ホットパンツの夏が来た 健二 
〇正則 千晶 貴光  

【2点句】
大夕焼無人攻撃機小隊  貴光  
〇有芳 正則  

避暑地からゾンビの兄の便りかな  貴光 
〇健二 健生  

夏の旅他人同士のボックス席  彩花 
〇真 健二  

夕涼や老猫をただ清拭す  千晶
◎あゆみ    

風鈴やビューティーコマチ美容院  貴光
〇有芳 あゆみ  

溶けていく氷のやうな海月の死  あゆみ
〇尚彦 貴光  

【1点句】
生ビール片手の相撲甚句かな  正則
〇喜和   

蓮池に河童は沈む七つ時  英二
〇有芳    

蚊遣火や据えて安堵の寝息かな  尚彦
〇正子    

道化師も来て梅雨晴の蚤の市  あゆみ
〇喜和    

一万歩目出度目出度の生ビール  喜和
〇真    

襟足と鎖骨足首夏うれし  尚彦  
〇正子    

軒先に並ぶ干物とビキニかな  真
〇健二    

から梅雨の熟しきらない夜を愛でる  健二
〇喜和    

夏めくやあの子は今日も二人乗り  あゆみ
〇正子    

妙に首の短い猫よ夏の月  正則 
〇貴光
   
つるさんはまるまるむしよひめほたる  健生
〇彩花    

しやくやくの恥ぢらひの紅いま開く  英二
〇尚彦    

どしゃ降りになす術なしや子蟷螂  正子 
〇尚彦    

真夜中になんとかなりてチョコアイス  有芳 
〇あゆみ    

柿の種一掴み食ふ昼寝覚  彩花
〇あゆみ    

古水路に田水湛へて大井川  彩花 
〇真    

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2023年6月17日 (土)

【生】令和五年五月の晴れ晴れ句会【第185回】珍念で、5月27日(土)に

参加 5名
◎=共鳴  ○=並選


 

【4点句】


ビーサンで来てね駅前11時 健二
 ◎貴光 有芳


 

【3点句】


緑さす人流にやや追いつけず 健二
 ◎正則 ○有芳


荒梅雨やピッチャーマウンドは島に 貴光
 ◎健二 ○英二


スコールも定番となりひと逢瀬 健二
 ○貴光 有芳 正則


 

【2点句】


相談にそーだそーだのソーダ水 健二
 ◎英二


焼き上がる鯖の脂の暑さかな 正則
 ○英二 有芳


峡谷の雨万緑を包みけり 正則
 ○英二 健二


太陽がひとまわりしてビールかな 有芳
 ○英二 貴光


夏の空俺のアイドル地下の地下 貴光
 ○正則 健二


 

【1点句】


真夏日ののち暖房をONにして 英二
 ○正則


朝曇りスロースタート猪八戒 有芳
 ○健二


潮風ジンライム 貴光
 ○有芳


沙悟浄やパイナップルを切り落とす 有芳
 ○貴光


心太突いたら涙溢れる 貴光
 ○正則


味噌塩で揉め鯖今夜は捌かれず 正則
 ○貴光


砂浜の海月を投げるアクティビティ
 ○健二





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令和五年五月の晴れ晴れ句会【第185回】メール句会

参加 11名
◎=共鳴  ○=並選


 

【4点句】


荒梅雨やピッチャーマウンドは島に 貴光
 ◎喜和 健二

喜和>たいがいマウンドにはブルーシートがかかっていますよね。まさに島。


峡谷の雨万緑を包みけり 正則
 ◎正子 ○真 喜和

正子>万緑を包みけりという表現が素敵です。雨で森林の深みが増した峡谷の荘厳な景色が浮かびました。
真>視界いっぱいに緑が広がる、そんな情景が目に浮かぶような美しい句です。
喜和>緑雨が青葉を包むさまですね。


まつすぐに歩かぬ子犬若葉風 あゆみ
 ◎尚彦 ○千晶 真

真>よちよち歩きなのか、好奇心旺盛で道草ばかりなのか。かわいらしい一句です。
尚彦>我が家の小次郎と小麦ちゃんも、もう子犬ではないのだけれど、外へ出ると好奇心いっぱいで右往左往してますが、若葉の頃は気持ちが良いです?


 

【3点句】


蹴躓き空切る両手姫女菀 正子
 ◎千晶 ○尚彦

尚彦>スローモーションでワンカットづつ止めて確認させていただきました。リアルに目に浮かびます。


ビーサンで来てね駅前11時 健二
 ◎貴光 ○有芳

貴光>ビーサンだし11時集合だし、街中の駅前集合だし、ゆる~いお楽しみが待ってる気がする。夏の始まりの期待感。


田を植ゑて地図より消さぬおらが村 喜和
 ◎真 ○千晶

真>おらが田を植える限り村はなくならん!地に足のついた感じが伝わってきます。


夏の雲貫く金のファンファーレ 千晶
 ○あゆみ 喜和 健二

喜和>体育祭かな。甲子園の応援にはちょっと早いし。
あゆみ>高校野球の地方大会を想像しました。球児にとって大切な大会なのはもちろんですが、吹奏楽部にとっても野球の試合の応援は思い出に残るものですよね。


連れ立ちて上手く抜け出す夕蛍 喜和
 ○あゆみ 真 貴光

あゆみ>いいなあ、このドキドキ感。
真>後日、「え!お前ら付き合ってたの!?」って、ほかの蛍が驚くのでしょうね。
貴光>夕蛍が効いてます。光るオスの蛍のすべてが恋を成就させるわけではない、とか、蛍見物を口実に上手く抜け出すちゃっかり君の勝利か、とか考えた。


 

【2点句】


白海老の昆布〆妻の誕生日 正則
 ◎あゆみ

あゆみ>なんて奥様思いなんでしょう!お誕生日のチョイスが白海老の昆布〆という奥様も素敵だし、そこから奥様の人柄や、このご夫婦のまとう雰囲気まで想像できてしまう気がします。


叱られて裸足で大地確かむる 尚彦
 ◎有芳


夏めきてスーツケースの傷補修 正子
 ○あゆみ 喜和

あゆみ> コロナ禍も終わり、久しぶりの旅に出るのでしょうか。準備も楽しんでいる様子が、「夏めきて」に込められてますね。
喜和>旅支度ですか、やっと解放されましたね


小雀の砂浴び小さき砂嵐 あゆみ
 ○尚彦 有芳

尚彦>目線が子雀に寄り添い、黒南風吹く中小さな砂嵐という表現が童話の世界へいざなってくれて素敵です。


五里霧中あいすくりんの木匙噛む 千晶
 ○尚彦 健二

尚彦>あいすくりんと木匙が美味しさを増し増しのイメージです。


太陽がひとまわりしてビールかな 有芳
 ○正子 貴光

正子>ひとまわりしてが のほほん感を出していいですね。現実にはいろいろあっても一旦置いといてのビールタイムなのかな。
貴光> 太陽を中心に地球が回っているのではない、ビールのまわりを太陽が回っているのである。ビール天動説。


 

【1点句】


朝曇りスロースタート猪八戒 有芳
 ○健二


潮風ジンライム 貴光
 ○あゆみ

あゆみ>潔くてカッコ良いです!


手加減を諭す母親水鉄砲 喜和
 ○千晶


スコールも定番となりひと逢瀬 健二
 ○真

真>相合い傘とかしちゃうんだろうなぁ…。傘が2本あるにもかかわらず。


沙悟浄やパイナップルを切り落とす 有芳
 ○貴光

貴光>有芳先生、今月は「西遊記連作句」だそうです。みなさん、清記を見返してください。物語が隠れてますよ^ ^ なかでもこの「沙悟浄句」、季語のパイナップルで、きゅうに7頭身のイケメン料理男子河童が浮かんできたので、とりました。おそまつくんのあのリバイバル漫画のようなというか、BL風というか・・・。


薫風と川面を渡る小唄かな 真
 ○正子

正子>優しいせせらぎ音と小唄の粋な爪弾き音 風情がありますね。さらに爽やかな薫風とは贅沢なシチュエーションです。


初鰹食らふ親父を睨む猫 真
 ○有芳


国境の海を言祝ぎ昆布漁 真
 ○千晶


母の日を祝う三代皆母よ 正子
 ○有芳


夏の空俺のアイドル地下の地下 貴光
 ○健二


少年は初夏のハイラル平原へ あゆみ
 ○貴光

貴光>外は土砂降りでも、オープンワールドのハイラル平原は青空で、どこまでも広がっている・・・。爽やかさと、「最新のバーチャル世界から抜け出せなくなる」恐怖も感じた。


風青し鼻毛を抜いて孫悟空 有芳
 ○喜和

喜和>句意はよくわかりませんが、自画像かしら。


犬洗いブルブルされし夏はじめ 尚彦
 ○正子

正子>ブルブルで状況がよく分かり、夏はじめの効果で ずぶ濡れ飼い主さんもワンちゃんも楽しそうに思えます。


風に舞ふ梅雨入り前のシーツかな 真
 ○正子

正子>梅雨入り前の晴天は貴重、日常の小さな幸せ感がとても上手く表現されていますね。


残像の夢うつくしく瑠璃蜥蜴 千晶
 ○尚彦

尚彦>夢にでるのが蛇ではなくて瑠璃蜥蜴でよかったと勝手に思いました。





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